フィルム包装袋デザイン・チェックリスト
入稿前に確認すべき“印刷事故”チェックリスト
堀口
11/19/20251 min read


版代だけで数十万円…入稿前に冷や汗を防ぐ“印刷事故”回避チェックリス
もし製版後にミスが見つかれば、シリンダー(版)の作り直しで数十万〜のコストが
特に最近は、環境配慮による「バイオマスインキ」の使用や「リフィル(詰め替え)需要」でパウチの案件が増えており、ベテランといえど気が抜けない状況が続いているのではないでしょうか。
今回は軟包装(パウチ)特有の入稿前チェックリストを作成しました。
「自分は大丈夫」と思っている時こそ、このリストで最終確認を行ってください。
[フレキシブル包装]
1. 命取りになる「白版(ホワイト)」の設計
白版の「痩せ(チョーク)」処理は適正か?
カラー版と同じサイズで白版を作っていませんか? 版ズレで白がはみ出すのを防ぐため、0.1mm〜0.2mm程度内側にオフセット(縮小)させていますか?
中身が見える窓の白版は抜けているか?
中身を見せるデザインなのに、うっかり白版で塗りつぶしていませんか?
バーコードの裏に白版(下地)はあるか?
アルミ蒸着や透明フィルムの場合、白の下地がないとバーコードリーダーが読み取れません。
白インキの「濃度(回数)」は指定したか?
濃い色の中身(コーヒー・味噌・醤油など)の場合、白1度刷りでは色が沈んでグレーに見えてしまいます。「白2度刷り」などの指定を仕様書に記載しましたか?
2. 「シール位置・形状」とデザイン
シール幅(熱溶着部)に文字が入っていないか?
サイドシール、トップシール、ボトムシール。それぞれのシール幅(通常5mm〜10mm程度)+ 安全余白(2〜3mm)を確保していますか?シール部分にある文字は潰れて読めなくなります。
ノッチ(切り込み)の位置に重要な要素がないか?
開封用のノッチ位置にロゴや文字があると、開封時に引き裂かれてしまいます。
ジッパー(チャック)位置の考慮
スタンドパウチの場合、ジッパー位置より上に重要な情報を置いていませんか? 開封後に切り捨てられる部分は「捨て情報」のみに留めていますか?
充填後の「太り」を計算に入れたか?
特にスタンドパウチの正面デザイン。中身が入ると膨らんで湾曲するため、両端の要素は見えづらく(あるいは裏側に回り込んで)なります。重要要素を中心(センター)に寄せていますか?
3. グラビア印刷特有の「再現性」チェック
オフセット印刷の感覚で入稿すると痛い目を見るポイントです。
小さすぎる文字・細すぎる線はないか?
グラビア印刷は、細かい文字が太ったり、抜けたりしやすい傾向があります。白抜き文字は特に注意が必要です(インキが流れ込んで潰れるため)。最低でも6pt以上、画数の多い漢字はさらに注意が必要です。
階調(グラデーション)の「版切れ」対策
グラビアは0%〜5%付近の淡い網点の再現が苦手で、突然色が消える「版切れ(トーンジャンプ)」が起きやすいです。完全に消え入るグラデーションには注意が必要です。
バーコードの配置方向
流れに対して垂直にバーコードを置くと、印刷時の伸びでバーが太り、読み取り不良のリスクが上がります。
4.製造ラインを止めないための必須確認事項です。
光電管マーク(アイマーク)のコントラスト
製袋機がピッチを認識するためのマーク。背景色とのコントラストは十分ですか?(透明地に淡い色などはNG)。
また、マーク周辺の「読み取り禁止エリア(クリアエリア)」にデザインが入っていませんか?
プラマークの材質表示は正しいか?
「経験値」が邪魔をする“立体イメージ”の欠落
パウチデザインの難しさは、モニタ上の平面データが、最終的に「グニャグニャと曲がる立体物」になる点にあります。
簡易的でも必ず「紙ダミー」を組んで確認する。(モックアップを作成してみる)
シール位置、底ガゼットの折り込みによる絵柄の消失は、画面上では気づけません。
「白版レイヤー」のみを表示してプリントアウトしてみる。
意図しない透過や、逆に透かしたい部分の塗りつぶしミスは、この方法で一発で発見できます。
印刷立ち会いに行けないなら、色校正は「本機校正」を強く推奨する。
簡易校正(インクジェット)と本番のグラビア印刷では、色の出方も文字の太り方も別物です。コストがかかっても、リスク回避のためにクライアントを説得するのもベテランの役割です。
パウチの印刷事故は、回収騒ぎになると被害甚大です。
入稿ボタンを押すその前に、ぜひこのリストで「プロの確認」を行ってください。
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